東京医大の裏口事件、「点数操作」はいかにして行われたか 当世“裏口入学”事情
同窓会の幹部ルート
裏口入学を巡っては、90年代後半、日大アメフト部の元主将が裏口の斡旋を騙って5千万円を掠め取り、「詐欺罪で刑事告訴へ」と新聞沙汰になった。この人物はその後、理事にのぼりつめたという。
また02年、帝京大総長から少なくとも700万円の献金を受けていた代議士がいた。彼の後援会幹部の孫が同大医学部を受験する際、入試前にその受験番号を医学部に伝えていたことが国会で明らかになった。
「その総長の実弟が特捜部に脱税で逮捕・起訴されたことがよく知られていますよね。合格発表前に“合格です。大学の発展のために寄付を”と持ちかけ、金を集めて仲介料を懐に入れ、個人的に流用していたというわけです。そんなふうにトップの権力が絶大だとか、理事長が学長を兼任しているとか、そういう大学は裏口入学がやりやすい傾向にありますよね」
と、私大医学部の関係者。
試みに、そのようなAランク医大の理事長に聞くと、
「他の大学と交流はありませんから、よくわかりません。ウチ? ないない」
ともあれ、先の私大医学部関係者の話に戻ると、
「私立大の医学部で最近よく耳にするのは、同窓会の幹部を通じるケース。“合格させてくれたら、親はこれくらい寄付金を出しますよ”と伝えてもらう。2次試験の点数をイジるのはそうハードルは高くないので、カネをより多く積んでくれた家庭を優先する。学費の値下げもあって、私立の医学部はかなり難しくなっている。となると、どうしても受かりたいって受験生は5つとか併願します。別へ行かれると実入りがゼロになるから、『同窓会の幹部ルート』は大学当局にとっても有難い話ではある」
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