「東京医大」裏口事件 「前川“奇兵隊”を逮捕」という東京地検の忖度捜査

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 東京地検特捜部がターゲットとしたのは、文科省の次官最右翼だった。自身の息子の裏口入学の原資を税金に頼るという離れ業を演じたのである。この文科官僚は官邸の不倶戴天の敵・前川喜平前次官の一派で、特捜検察も忖度捜査したと囁かれたが、果たして……。

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 地獄の沙汰もカネ次第などと、欲の皮が突っ張りまくった人たちは、いつの世も特捜検察のターゲットとなるのである。

 去る7月4日、文科省の私立大学支援事業を巡る汚職事件で、受託収賄容疑で東京地検特捜部に逮捕されたのが、科学技術・学術政策局長を務めていた佐野太容疑者(58)。贈収賄の贈賄側は東京医科大の臼井正彦理事長(77)と鈴木衛学長(69)らで、こちらは逮捕されていない。

「佐野が官房長の職にあった2017年5月、臼井理事長は一連の悪巧みを画策。佐野はその意を汲んで文科省から予算が下りやすいように細かくアドバイスした。結果、11月に支援対象に認定され、5年に亘り、1億5千万円までを受け取ることが決まる。他方、18年2月の東京医大の入試で、佐野の息子の点数に臼井理事長らがゲタをはかせるようにと指示したのです」(社会部デスク)

 国公立と私立を合わせ約80ある医学部の受験偏差値で、中ほどから上位を窺う位置にある東京医大。Sとは言わないまでもAランク医大生の資格を1億5千万円で買った、いわゆる裏口入学ということになるのだが、空前にして絶後と思われるのは元手が税金であることだ。そして、よほど具合が悪く映るのは「佐野容疑者の息子の実力は合格圏内になかった」と、捜査で認定されてしまったことだ。

 元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は、

「受託収賄罪とは、公務員が請託を受け、つまり特定のお願いをされ、賄賂を受け取った場合に成立します」

 と言う。「お願い」をされ、その通りに動いた。しかし、入試点数に加点せずに済んだならば、合格は賄賂に相当せず、この罪は成立しない。

 疑問は、裏口入学が佐野容疑者の息子のための一度キリしか行われていないのかということだ。そんなことはなく、かねて続いてきたのではないかと特捜部は見ている。

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