「麻原死刑」速報で日テレがNHKに勝利 他局が悔しがるウラ事情

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お高い朝日新聞は「過熱報道」と上から批判

 しかし、こうした指摘に対し日本テレビの関係者は「ウチだけでなくNHKなど、死刑執行を事前に把握していた社は複数ありました」と明かす。

「ウチの速報が早かったのは、ある種のコロンブスの卵というか、速報を流すタイミングに独自性があったからです。他社は『麻原彰晃に死刑が執行されるタイミング』を狙っていたと思うのですが、こちらは『死刑執行の手続きを始めた』ということがニュースだと判断して速報にしたわけです。このことで、あのNHKに4分だけ先に流すことができました。ウチも死刑執行を待っていたなら、当然ながらNHKと同着になっていたでしょう」

 実は、「日テレ(だけが)事前に知っていた?」と見出しに書いたJ-CASTニュースだが、記事の最後に日テレだけの独占スクープではなかったことを、自ら明かしてしまっている。

《NHKも死刑執行に立ち会うと見られる検察官が東京拘置所に入っていく朝7時の映像をとっており、執行の情報は一部のメディアに事前に流れていたようだ》

 こうしたテレビ局の“競争”に対し、朝日新聞は否定的な報道を繰り返した。「死刑執行『リアルタイム』報道 写真にシール・人数予告…批判も」(7月13日朝刊)、「(Medeia Times)オウム死刑執行、報道過熱 テレビ各局、異例の速報 演出も」(7月14日朝刊)という具合だ。

 だが死刑とは、基本的人権を守るべき国家が犯罪者の命を奪い去るという、桁違いに重い刑罰だ。“国家の殺人”は詳報が当然だろう。そして日本政府は、情報開示に極めて消極的だ。

 死刑執行にサインした上川陽子法相(65)は、執行前日である7月5日に、あの「赤坂自民亭」に出席。一部報道によると“女将”として万歳の発声を行ったという。ネット上でも宴席で安倍首相の隣に座る写真が拡散している。もちろん捏造の合成写真ではない。

 にもかかわらず、翌日、上川法相の会見は、午後0時45分と遅いタイミングで始まり、少なからぬメディアの質問に「お答えは差し控えたい」を繰り返した。

 説明責任どころの話ではない。国がこの姿勢なら、むしろテレビ局は民放もNHKも意地を見せたとも言えるのかもしれない。

週刊新潮WEB取材班

2018年7月18日掲載

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