AIエンジニアの年収は米国の半分… “五輪”で金メダルも出た「日本のプログラミング事情」

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ハリウッド映画分析を

 目下、ヒットしたハリウッド映画の分析に注力する。

「例えば『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主人公は、プラスとマイナス両方が交互になって出るので、ハラハラしているのがわかる。『ダイ・ハード』はずっとマイナスが多くて、ピンチに陥ってプレッシャーがかかっている話だと想像できます。『L.A.コンフィデンシャル』では感情の起伏の幅が少ないので、冷静な主人公が最後に大どんでん返しを演じるのではないか……という分析が可能です。今後は、私がやっているこの考察そのものをコンピューターが担えるようにしたい。分析対象を増やして、登場人物のパーソナリティを推測したり、ヒット作に共通する構成の特徴がわかれば、面白いストーリーが書けるようになるかもしれないと思っています」

 今夏から、得意の英語を生かし、イギリスのパブリックスクールに入学して、寮生活を送るという。

「イギリス流の物語の作り方、構造みたいなものも色んな本を読んでみて研究したいです。何しろイギリスは文学の聖地ですからね」

 そんな楓さんは昨年開かれた「U-22プログラミング・コンテスト」で経産大臣賞のアイデア部門に選ばれている。このコンテストで審査委員長を務めるのが、筧捷彦早大名誉教授だ。

 彼は長年コンテストを通じ、若者のプログラミング教育に携わってきた。と同時に、高校生以下の生徒がプログラミングの腕を競う情報オリンピック日本委員会理事長としての顔もある。

 国際情報オリンピックは昨年に29回目を数え、開催地イラン・テヘランには84カ国から308人が集った。日本選手団はそこで初めてトップに上りつめたのだが、当の筧名誉教授に、ざっと中身を解説してもらうと、

「毎年開催される国際情報オリンピックに参加できるのは、各国からの中高生代表選手4人まで。日本の場合は国内予選を勝ち抜いた人になります。去年はこの予選に1400人が応募しました。この国際大会は7泊8日の日程で、大抵7、8月に開かれます。朝9時から午後2時までの5時間の競技を2回、課題は計6題出ます。1問100点満点、計600点。完全に個人競技で、上から12分の1までに金メダル、その次の12分の2までに銀メダル、その次の12分の3に銅メダルが与えられます」

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