オウム事件の原点 信者は32年前に出版された“あの本”にみんな騙された
「結局、オウムって、教義がどうこうとかマインドコントロールとか言うより前に、あの本が信者を増やしたきっかけだった。信者にとっては、いわば“必読の書”でした」
当時を知る、新聞記者が振り返る――。あの本とは1986年に出版された麻原彰晃著『超能力「秘密の開発法」』(以下、秘密の開発法)である。地下鉄サリン事件の9年前、宗教団体「オウム真理教」を名乗る前年に出版されたもので、表紙には“空中浮遊”の写真も掲載されていた。
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