「谷岡学長」独占手記 栄監督の解任を決めたワケ、吉田沙保里にも相談
「谷岡学長」独占手記――栄監督を破壊した「伊調馨」の秘め事(上)
かつての教え子である伊調馨(34)によって、栄和人監督(58)という金メダル製造機は破壊された。しかも、巧妙に自らの秘め事を隠しつつ、パワハラの告発を行ったのだという。泣いて馬謖(ばしょく)を斬った至学館大の谷岡郁子(くにこ)学長(64)が明かした、知られざる真実とは。
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私が栄監督を現場復帰させたのは、選手たちから「一緒にやりたい」という声が届いたからです。それに、最後のチャンスを与えたいという気持ちもあった。東京の駒沢体育館で、6月14日から行われた全日本選抜選手権では、栄監督に選手に付き添うセコンドをお願いしました。でも、初日は謝罪会見のためのスーツを着ていたからか、マットには行かなかった。観客席で、お笑い芸人と談笑したり、ケータイで話したりで、熱心に観戦するわけでもありませんでした。そして、2日目もジャケット姿でセコンドに付く様子がない。さすがに注意しようとすると、昼食のために会場を出て行ってしまった。
至学館からはOGと大学生、高校生あわせて24人の選手が出場し、昼休みも途切れることなく、試合が続いていたのですが……。
さらに、その後、謝罪会見当夜にキャバクラ遊びをしていたとかで、写真週刊誌「FLASH」の直撃取材を受けていたことがわかりました。
私は栄監督に電話をかけ、「あなたのいまの態度は選手と共に進もうとするものではありません。自宅謹慎していただくよう決めました」と告げた。それに対し、栄監督はぼそぼそと一言「すみません」と。しかし、その時点で、解任までは考えていませんでした。実は、大会2日目の夜に保護者会を開いたのですが、そこでの態度が問題だった。パワハラ問題への謝罪と経過報告の場なのに、栄監督は15分も遅刻。そのうえ、私が謝罪するように促すと、ちょっと立ち上がって、「色々、ご迷惑をおかけしてすみません。これから頑張ります」と言うだけだった。選手を巻き込み、保護者にも迷惑をかけたにもかかわらず、このまま監督を任せるわけにはいかないと、そこで解任することに決めました。
監督解任の発表は翌々日の17日でしたが、その前に吉田沙保里らにも相談した。沙保里にとって栄監督は恩師であると同時に、彼の奥さんととても親しい関係にある。それでも、「学長のお考えが正しいと思います」と支持してくれました。
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