かくれキリシタンは、どうやって信仰を伝えてきたのか
記録を残す意味は、あったことを後世にきちんと伝えることにある。誰かにとって都合の悪いことを隠したり嘘をついたりでは、もはや記録ではない。記録は歴史をありのままに伝える大切なツールなのだ。
だが、不都合な真実も包み隠さず記録に残せる、というのは、ある意味、幸せなことなのかもしれない。
過去には、どんなに記録を残したくても残せない人たちがいた。
世界文化遺産登録で注目される「潜伏キリシタン」である。
潜伏キリシタンたちは、キリスト教が禁じられていた時代、あるところでは集落ごとに組織をつくり、ひそかに独自の信仰を伝えてきた。...