「日本の億万投資家名鑑」に登場32人の“執念と流儀”
思い起こせば13年前、みずほ証券の誤発注のスキを突いて、20億円も稼いだ個人投資家がいた。「ジェイコム男」と呼ばれたその人物は、今では200億円以上の資産を持つと言われている。パソコン画面のチャートをにらみながら巨額の利益を稼ぐ個人投資家にスポットライトが当たるようになったのは、この頃からだろうか。
それに続けというわけなのか、最近のマネー本を見ると、“数億円稼いだ”と公言する投資家が続々と登場している。代表例といえるのが、日経BP社から出ている『日本の億万投資家名鑑』である。
「昨年から3冊が出版されており、6月上旬に『必勝編』が出たばかりです。累計で8万5千部になります」(編集担当者)
最新刊には32人の個人投資家が登場する。運用資産は数千万円から30億円以上まで。投資のスタイルも毎日取引するデイトレーダーから、値上がりしそうな中小型株を手掛けるタイプ、新規公開株ばかりを狙って2億円を稼いだ人や、アメリカ株を専門に手掛けている人など様々だ。
経歴も多様で、元ファンドマネージャーはもちろん、専業投資家になる前は清掃作業員だったという人や、現役の弁護士の傍ら巨万の富を築いたという人もいる。しばらく前まで、株で財を成した人は“相場師”などと呼ばれたものだが、今の時代の株長者は、そのイメージとはまったく違う。
たとえば32人の中の1人「テスタ」氏(30代)は、12〜13年前までは、パチンコやゲームセンターが好きな若者だった。
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