本人曰く“アートを作ろうと…” 強制撤去された「名古屋ごみ屋敷」ショット集

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 数年前から取り沙汰されていた名古屋市中区の「ゴミ屋敷」問題が、ついに動いた。7月3日より名古屋地裁の強制執行によるゴミの撤去が始まったのである。

 昨年11月、建物の所有者で住民男性の親族でもある女性が、明け渡しを求めて男性を提訴。今年1月に地裁が訴えを認めたことから、このたびの“大掃除”が始まった。作業は3日かけて行われる予定だ。

 撤去について、男性は“納得はいかないけれど仕方がない”と、作業員に協力している。週刊新潮では2015年5月28日号で、男性に話を聞いている。(※以下のデータは掲載時のもの)

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「“片付けを手伝う”なんてお節介焼きがやって来るわ、前を通る車は徐行して眺めていくわ……野次馬のスマートフォンを借りてニュースを観てるから、どう騒がれているか知ってるよ。好き勝手にテレビに撮られちゃってさ」

 カオスが支配する自宅の前でこうボヤく名古屋市の男性(59)は、5月8日までに“ゴミの撤去”を行うよう市から通告されたことで、一躍時の人となった。

 家主ながら路上生活を余儀なくされるこの状況について、曰く“30年ほど前にガラクタアートを作ろうと空き缶を集めるうちに、3階建ての自宅がいっぱいになってしまった”“ゴミ屋敷じゃなくて資源屋敷”。

「眠る時はこのまま横になる。辛いことないよ。雨が降ってきたら、あそこのマンションの軒下に行くし、トイレはコンビニのを借りる。シェーバーは、近所の知り合いの家のコンセントで充電させてもらう。夏は葦簀(よしず)で日陰を作るし、冬は花屋から出る大きい段ボールを厚めに敷けば暖かい」

 空き缶回収による収入と、材木屋を営んでいた実家の資産を切り崩して生活している。

「時間があれば電子辞書で英語の勉強してる。色んな用例を見てると、3時間はあっという間に経っちゃうね。辞書はそのへんにあるよ。たぶん」

 ご本人は悠々自適の態も、“ゴミが歩道を塞ぐため”近隣の小学校が通学路を変更するなど、周囲は迷惑顔だ。

「通学路が変わったのは、石をぶつけてきた子を叱ったからで、荷物のせいじゃない。これでも整理したんだよ。ただ、こんな騒ぎになると、面白半分で放火されないかが心配だなあ」

 と言って、手にした煙草に火をつけた。

撮影・土居誉

週刊新潮WEB取材班

2018年7月6日掲載

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