金正恩が日朝会談で「日本のトンネル掘削技術」を、どうしても欲しいワケ

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急ぐ安倍首相、諭す拉致議連

 日朝首脳会談が実現に向けて動き出した。新聞や通信社の見出しを拾っても、安倍晋三首相(63)の強い意志が伝わってくる。

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 それこそ、「日朝首脳会談『可能な限り早期実現を』 安倍首相が指示」(朝日新聞/6月15日電子版)という具合だ。

 しかし与党内からも「安倍首相の『前のめり』に懸念=拉致議連、田中均氏も」(時事通信/6月21日電子版)と危惧する声があがる。そして拉致議連は6月22日、安倍首相に「冷静な対応」を申し入れた。ちなみに拉致議連の会長は古屋圭司・衆議院議員(65/岐阜5区)だ。

 安倍首相は官邸で古谷会長らと会談し、諫言には耳を傾けた。とはいえ「安倍首相 日朝首脳会談に改めて意欲、拉致議連要望に」(毎日新聞/6月22日電子版)と報じられたように、決意は全く揺らいでいない。

 日朝首脳会談がリアルな外交課題となったのは、やはりトランプ大統領(72)の影響が大きかった。例えば産経新聞は、6月12日の米朝会談に関し、次のように報じている。

《北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長がトランプ米大統領に対して「安倍晋三首相と会ってもよい。オープンだ」と述べていたことが13日、分かった》(「日朝首脳会談へ本格調整 金正恩氏『安倍首相と会ってもよい』 トランプ大統領に伝える」6月14日電子版)

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 極論すれば米朝会談によって、日朝会談の道が切り開かれたわけだ。では、トランプ大統領と金委員長は、どのような思惑から日朝会談の開催に言及したのだろうか、そして実際に会談が行われれば、どのような内容となるのか、専門家に訊いた。

「北朝鮮は中国と同程度か、場合によっては中国以上の、レアメタル大国として知られています。アメリカが韓国との合同軍事訓練を中止してまでも、北朝鮮との対話路線を選択した理由として、北朝鮮がレアメタルの権益をアメリカに差し出したからだ、という報道もありました。これは私も事実だと見ています。それこそ複数の鉱山開発を、金正恩はトランプに依頼した可能性もあります。2人は『北朝鮮のレアメタルは日本が買ってくれる。だから確実に利益が出る』という共通認識を持っているはずです」

 例えば、国連安保理の対北朝鮮追加制裁には「マグネサイトやマグネシウムを含む鉱物類」が対象となっている。北朝鮮のマグネサイト埋蔵量は推定60億トンで、世界1位とのデータも存在する。

「マグネシア(酸化マグネシウム)は、例えば火力発電所の排煙をクリーン化する際に欠かせない物質です。現在、日本の電力各社は中国から輸入していますが、実のところ、かなりの割合が中国産ではなく、北朝鮮からの輸入品を転売している疑いが濃厚なのです」(同・専門家)

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