米朝首脳会談を受け「蓮池薫さん」語る “金正恩の判断ひとつ、今が拉致問題解決のチャンス”

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蓮池薫さん「米朝首脳会談」緊急インタビュー(下)

 米朝首脳会談を受けて行われた拉致被害者・蓮池薫さん(60)へのインタビュー。会談ではトランプ大統領が金正恩に拉致について提起する場面もあったが、これに蓮池さんは「金正恩にとっては、先代、先々代の話で、自身が手を下した問題ではない」「拉致の重要性を金正恩に再認識させたことで、解決に向けてプラスになったと思います」と述べる。

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 安倍総理も、これまでの圧力姿勢から対話の姿勢に舵を切りました。米朝合意を日本が支持することはすなわち、北朝鮮の姿勢も許容したことになる。安倍総理が3選に拉致問題を利用しているといった見方もあるでしょうが、拉致問題が政治的に使われることはあり得るし、仕方ないことだと割り切っています。結果さえ出してくれればいいということです。

 いま、“8月にも訪朝の可能性”などと報じられています。私が懸念しているのは、首脳会談ありきで前のめりになってしまうこと。

 つまり、これまで北朝鮮が提示してきた、8人死亡4人未入国という報告書を覆す確証がない状態で訪朝すべきではない。被害者奪還のメドもつかないままの訪朝は、断じて避けるべきです。この点は、長く拉致問題に取り組まれてきた安倍総理を信じています。

 その総理に先頭に立ってもらう奪還への道筋は、あくまで政府の役割なので、私がとやかく言うものではありません。ただ、日本には日朝平壌宣言に基づく経済協力という有力なカードがあります。それをどのように効果的に提示するか、熟考すべきです。

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