ラーメン月8600円で食べ放題、カフェや居酒屋が月3000円で飲み放題、月額制がブームのワケ

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これからの外食産業は「リピーターの争奪戦」

 しかしながら、外食産業における月額制に関して、ネットサーフィンなどを丁寧に行ってみると、「安かろう悪かろうだ」という批判的な指摘も目にする。「料理が美味しくない」、「店の雰囲気が悪い」と実名を掲載した記事もアップされている。

「月額制ビジネスは、定額固定した商品のため高い利益は望めません。そこで『ついで買い』してもらう商品を充実させる手法もあります。商品の質が高く、常識的な価格なら、顧客満足度も上昇するでしょう。ところが商品の質が悪かったり、相場より高い価格設定だったりする店が散見されるのも事実です」(同・千葉氏)

 千葉氏によると、これからの日本における外食産業は「リピーターの争奪戦」になるという。少子高齢化の必然というわけだ。

「人気を呼ぶ月額制は、事業者側がイノベーションの意欲を持っていることが必須条件です。飲食店の原理原則は『美味しい料理・素敵なサービス・清潔な環境』とされ、これをQSC(Quality=品質、Service=接客、Cleanliness=清潔さ)といいます。この3条件を満たした上で月額制を実施すれば、顧客に『料金を気にしなくていい』という安心感も与えることができます。満足度も上昇する可能性は高いでしょう。こうしたことから、月額制は今後の外食産業における新しいビジネスモデルとして定着していくことは充分に考えられます」(同・千葉氏)

 だが当たり前だが、安易な導入は店の評価を下げてしまう。

「月額制と相性がいいのは、吉野家のようにブランドイメージが定着しているケースです。極めて高い宣伝効果が見込めます。他は野郎ラーメンのようなコアなファンが多い店や、駅前の蕎麦屋さんといった地域密着型の店舗もメリットがあるでしょう。流行に飛びつき、慌ててドリンクやアルコールを月額制にして、必要コストをメニューの質を下げることで実現させたりすると、店の評価は下がってしまいます」(同・千葉氏)

 新しい店を訪れるのもわくわくするが、常連になるという喜びも深い。月額制が同じ店に通い続ける魅力を提供してくれるなら、確かにファンは増えそうだ。

週刊新潮WEB取材班

2018年7月2日掲載

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