蓮池薫さんインタビュー 「ヘギョンちゃんが言わされた『横田めぐみさん死亡』は嘘だ」

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めぐみさん、ヘギョンちゃんとの交流

 私は87年から94年春まで、彼女と同じ太陽里(テヤンリ)招待所で暮らしていました。平壌市の中心部から北に15〜16キロ行った郊外の、翻訳などを担当する人々が住んでいた地区です。「100号地域」と呼ばれていました。山間に一軒家がいくつか建っているとイメージしてもらえればいいと思います。

 そこはほかの家との行き来もわりと自由にできる場所で、近所のめぐみさんがご主人やヘギョンちゃんと一緒に楽しそうに散歩したりする姿も見ています。

 めぐみさんと話すと、日本への思いの強さを感じましたし、彼女は、拉致されたときに持っていたバドミントンのラケットカバーを大事に持っていました。ラケットもあったと思います。わずか13歳という年齢で拉致された辛さは私の比ではなかったでしょうけれど、ヘギョンちゃんのことや、日本へ帰りたいという思いなどからすると、とうてい自殺は考えられません。

 結局、彼女は病院に入るために招待所を去りますが、実は、めぐみさんが去ってからもヘギョンちゃんは一定期間、この招待所にいました。だから私たちは会ってもいましたし、97年ごろに離ればなれになってからも帰国する間際まで彼女と断続的に交流していた。なのに、めぐみさんが亡くなった事実などがヘギョンちゃんの口から語られたことはなく、誰も耳にしていない。死亡が事実であれば、絶対に私たちに話したはず。ヘギョンちゃんが嘘を言わされているのは明らかなのです。

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