「大阪地震」当日 待ち時間なしの穴場となった「USJ」レポ
かたや「3・11」の折に1カ月の休園を余儀なくされた東京ディズニーランド。こなた、地震当日も営業していたUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)。地震の規模が違うと言えばそれまでだが、普段なら3時間待ちは当たり前のアトラクションは、待ち時間なしの穴場となっていた。
入口で運営側から「3つのアトラクションが動いていない、パレードは中止、閉園が早まるかもしれないことを了承してください」と言われたものの、入ると特に混乱は見られない。
一番人気の「ハリー・ポッター」前には【待ち時間30分】とある。しかし、実際は待つことなくすんなり乗車。すぐ前を歩く20代OL2人組は「いつも2、3時間待ちが当たり前。超ラッキー」とはしゃいでいる。
京都の大学に通うグループに声をかけると、
「午前9時着を目指して電車に乗っていた時に地震がありました。大阪駅まで数メートルだったんですが1時間くらい閉じ込められて……。そこからはバスに乗って昼前に辿り着いたという感じですね。楽しみにしていたジュラシック・パークの『ザ・フライング・ダイナソー』や『ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド』が運休なのは残念ですが、どこもガラガラなので、乗りたい放題です!」
と意気軒昂。続いて親子連れが目立つ「ミニオン・パーク」へ。【待ち時間85分】と看板にあるが、従業員によると、
「いつもは3時間待つので空いている方です」
他方、淡路島から来たという5人家族は、憤懣やるかたないといった表情である。旦那さんは、
「西宮あたりで高速道路を下ろされ、激しい渋滞を越えてやってきたんです。期間限定の『コナン』を長女が楽しみにしてて。でも、予約してた午前の回に間に合わなくて振替もしてもらえずで娘は号泣。人目も憚らず泣いてる大人もいましたよ。入口で“コナンは大丈夫だと思う”て言うてたのに、納得いかないですよ」
と、不機嫌の理由を話す。
そして、暮れなずむ館内に響く放送が――。
〈午後7時にクローズすることになりました。JR線についてはこのあと午後7時に復旧を見込んでいるということです〉
あちこちから「えー!」という声があがるのもむべなるかな。こんな貸切状態、そうはないからだ。ともあれ退場してみると……タクシー乗り場は100人の長蛇の列。クルマ自体が5分に1台しか来ない。午後7時に復旧するはずのJRはやっぱりズレた。渡る世間は丁目と半目。善いと悪いはひとつ置き、ということになるだろうか。