「西野監督、ごめんね」と言うべきサッカー専門家は誰 W杯前の予想を検証
いよいよハリル解任後の予測
次は中日新聞の「W杯 ロシア大会 本紙評論家 大会占う」(6月7日)だ。同紙のサッカー評論家は、奥寺康彦・横浜FC会長(66)と、イングランド2部・リーズのテクニカルスタッフを務める藤田俊哉氏(46)。ハリル監督の電撃解任は4月9日。つまり、この記事は西野ジャパンを俎上に載せたことになる。予想の部分を引用すると、
《奥寺 コロンビアに引き分けることができたら、次が計算しやすくなる。うまくいって1勝2分けか1勝1分け1敗。勝つとしたらセネガルかな。
藤田 初戦で勝ち点を奪えれば1勝1分け1敗も期待できる。1次リーグの顔触れを見ると、決勝トーナメント進出には2勝1敗でいく必要がありそう。一方で日本の現状を考えれば、3連敗も覚悟しないといけない》
コロンビアに勝利し、セネガルには引き分けたため、残念ながら奥寺氏の予想は外れてしまった。ただ、勝ち星の予測は今のところ外れてはいない。藤田氏の厳しい見立ても心に刺さるが、やはり現実とは違う。
だんだんとW杯が迫ってくる。次はテレビ番組をご紹介しよう。
6月10日にはフジテレビ系列で「ジャンクSPORTS」(毎週日曜19時〜19時57分)が放送された。ここで元日本代表の選手たちが予想を披露している。一気に並べよう。
高原直泰(39) 全敗
小野伸二(38) 2勝1分
巻誠一郎(37) 2勝1分
稲本潤一(38) 1勝2分
岡野雅行(45) 1勝2分
田中マルクス闘莉王(37) 1勝2分
“擁護派”の都並敏史氏でも当たらない
ポーランド戦が行われていない状態で“採点”すると、高原だけが外れたことになる。しかし高原の名誉のために付け加えておけば、「勇気ある発言」と称賛する声が多かったのは事実だ。
この頃、サポーターでも悲観論が蔓延し、サッカー協会幹部の“傲慢さ”に批判の声が集中していた。高原の予想は一種の“諫言”と受け止められた。
また、同じく元日本代表の秋田豊(47)も、日刊スポーツでの連載「熱血秋田塾」で「このままじゃ3連敗 秋田豊氏先発6人入れ替え提言」(6月10日)とぶち上げた。
見出し通り、提言が主体の内容となっている。そういう意味では高原の問題意識と全く同じということになる。
では次は、逆に徹底して西野ジャパンを擁護した都並敏史氏(56)を見てみよう。横浜FCの監督を務めた経験を持つが、「特集ワイド:誕生2カ月西野J W杯1次突破の確率は?」(毎日新聞:6月12日夕刊)で、日本代表を高く評価した。
にもかかわらず、細かいポイントは当たっていない。予測とはそういうものかもしれないが、こうして正解を知った上で振り返ると、非常に興味深いのは事実だろう。
《西野ジャパンの初陣となった5月30日のガーナ戦で、0-2と苦杯をなめた。「失点はするし、攻撃に課題もある。みんな酷評するのは当然ですが、僕の評価は逆です」(略)。都並さんのシナリオでは、日本は1次リーグを2位で突破。その確率を「70%」と予想する。「1位はコロンビアで間違いないでしょうが、守備にやや不安があるセネガルとポーランドには勝機がある」。生来の日本代表サポーターは、解説者としても強気の見方を崩さない》
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