「楽天」おなじみの現場介入 浮上の鍵は“社長”との折合い

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 楽天の梨田昌孝監督が成績不振を理由に辞任した。チームはリーグ、交流戦とも最下位に喘いでいる。

「現場介入のせいで俺の野球が台なしだ!――と心の中で叫んでるのでは?」

 と苦笑するのはスポーツ紙デスク。梨田前監督は無類のダジャレ好きである。

「楽天では、経営陣の現場介入は当然のように行われていますからね」

 大久保監督時代、三木谷浩史オーナーがスタメンを決めるなど、その現場介入ぶりが問題となったことがある。だが、そんな現場介入を三木谷オーナーは“フロントと現場の一体化”と言い換えて美化すらしていた。

「ただ、星野仙一さんが球団副会長に就任すると、彼が緩衝材となり、オーナーからの無茶な要求がダイレクトにグラウンドに伝わることは減っていきました。そして三木谷さんの興味も野球からサッカーへとシフトしました」

 先月は世界的スター・イニエスタを“楽天全選手の年俸より高い”という32億円超でヴィッセル神戸に迎え入れた。イーグルスファンからは“その10分の1でもこっちに回して”との怨嗟の声も聞こえてくる。

 そして今年1月に“緩衝材”の星野氏が死去すると、“鶴の声”が現場を直撃するように。ただ、声の主は三木谷氏ではなく、

「立花陽三球団社長です。スタメンはもちろん、選手の入れ替えや起用法まで、三木谷氏以上に細かい指示が飛んでいるそうです」

 梨田氏に代わって指揮を執るのは、ヘッドコーチだった平石洋介監督代行(38)。いわゆる“松坂世代”で初の監督となる。PL学園の主将として、松坂と甲子園で激闘を繰り広げた平石氏は、同志社大、トヨタ自動車と進み、2005年に創設初年度の楽天に入団。11年に引退後、コーチに転身して今に至る。楽天一筋で、いわば“現場介入”に純粋培養された野球人だ。

「楽天の監督は、他球団で野球をしてきた普通の感覚の指導者には務まらない。その点、平石さんは星野監督の下で1軍打撃コーチを務め、“現場介入”のいなし方も直に学んでいる。元々昨季リーグ3位の戦力ですから、立花社長との折合いをうまくつければV字回復もありえますよ」

 それは楽天的すぎる。

週刊新潮 2018年6月28日号掲載

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