「犯罪被害者」たちは何と戦ってきたのか――活動が届けた“最低でも死刑を”の声
「復讐心が顔に出ている」
第4回公判で「最低でも死刑を」と声を振り絞った加藤さんの願いが通じたのか、1審の判決は死刑。住田は控訴したが、後にそれを取り下げ刑が確定。昨年7月に死刑が執行されたが、
「知らせを聞いた時、不思議なほど何も感じませんでした。あ、そうなのかと思っただけ」
と言う加藤さんは、公判中は住田からお詫びや償いの言葉を引き出そうと、躍起になっていたと振り返る。
「人間的な感情が芽生えれば反省する。そうなれば苦しむだろうと思ったのです」
拘置所にいる住田に手紙を書いて面会も試みたが、そんな時に友人から、「復讐心が顔に出ている」と言われてハッとしたと言う。
「住田にこれ以上エネルギーを費やしてどうする。それより天国の娘に、“お父さん頑張ったね”と言われたい。他にも苦しんでいる被害者を救いたい、そう思うようになったのです」(同)
あすの会が解散しても、活動を続けると決意を新たにする加藤さんは、
「諸先輩が法改正に向け戦い続けてくれたおかげで、私たちはその恩恵に与ることができた。今度は私たちが戦いを引き継ぐ。被害者の駆け込み寺を作ります」
(下)へつづく
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