江川卓が「甲子園100回記念」始球式を拒絶するワケ

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「格好悪いから」

「理由は、読売グループの“縛り”があるというのです。ライバルの仕事は出来ないと言われれば、残念ですが諦めるしかありません」(同)

 現在、江川は日本テレビのスポーツ番組でコメンテーターを務めているから、読売にとっては敵に塩を送ることになると考えたのか。名選手が勢ぞろいとあれば、懐かしむファンも多かろう。読売も罪深いというほかないが、この点について読売新聞グループ本社広報部は、

「初めて聞く話です。100回大会は日本の野球界にとって大変意義のあること。江川氏からもし相談があれば、前向きに考えるよう伝えていたと思います」

 日本テレビ広報部も、

「江川氏から相談は受けておらず、お答えする立場にありません」

 そこで、当のご本人、江川に聞くと、

「朝日だけでなく、地方紙からの依頼もすべて断っています。僕は甲子園で優勝していないので、格好悪いという思いがある。誤解してほしくないのですが、決勝に行かなかった選手が始球式に出るのはふさわしくないという意味ではない。僕が単純に出て行くのが好きではないんです。読売からのプレッシャーなんてありません」

 と言うのだ。が、彼を知る人物によると、

「彼は、解説の仕事で球場入りしても、放送席に入ったまま、グラウンドには降りません。“空白の一日騒動”で追い掛け回されたからなのか、人前に出るのが大嫌い。作新学院が学園祭に毎年声を掛けても、一度も行ったことがない。始球式を体よく断るため、“縛り”ということにしたのでは」

 ともあれ、野球評論家の江本孟紀氏は、

「私は甲子園に出ていませんが、声が掛かれば出たいほどです。2回戦で負けたからと言うけど、江川フィーバーは誰もが知っている。100回という節目を盛り上げるためにも、こだわることないと思うけどね」

 心変わりはない、か?

週刊新潮 2018年6月21日号掲載

ワイド特集「あじさいに 欺かれけり」より

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