これが“スピード感”? 小池知事「環状2号線」大幅延期の大失政

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【スピード感】スピードがある感じ。速い感じ――。

 小池百合子東京都知事(65)が繰り返し使うフレーズを広辞苑で引くと、こう出る。果たして、小池知事はこの意味をお分かりか。

 今月7日、〈環状2号線(以下、環2)〉の完成を2022年度に延期する方針を都知事が固めた。選手村や競技場ができる臨海部と、都心を結ぶ大動脈として使われる事が期待されていた環2。が、市場移転問題によって、完成予定が2年延期されてしまった。この影響を不動産コンサルタントの長嶋修氏に聞けば、

「縦のラインに弱いのが湾岸地域の欠点で、その解消の為に環2の完成が期待されていました。今回の延期で、住みづらいというレッテルが貼られ、ブランド価値は少し落ちるかもしれません。選手村跡地には分譲マンションが建設され、他の建設計画も合わせると3万~4万人が五輪後に湾岸地域に移住します。この準備を晴海通り1本で支える事はかなり厳しいですね」

 小池知事は“停滞感”を生んでいるだけではないか。環2が未完成の間は、片側1車線の暫定道路でしのぎ切る作戦だが、湾岸タワマンに住む一人は、こう憤る。

「大渋滞は必至です。小池さんは、不便さと風評被害を臨海部住民に強いただけ。豊洲も東京の一部で、多くの住民が生活してる事を忘れてるとしか思えません」

 どうやら、“孤立感”まで生んでいるようだ。

「ポピュリズムを煽る事ばかり考えて、結果として東京五輪を失敗させる要因を作った。失政です」

 とは、舛添要一前都知事。

「私の都知事時代、築地市場跡地を五輪終了まで5000台規模の大型駐車場にして、関係者や観客を輸送する拠点にする計画を立てていたが、これも間に合わなそう。大きな混乱が生じるポイントになりますよ。必要無い仮設道路を作って、終わったら壊すコストも都税を圧迫します」

 小池都政“生みの親”の舛添氏だが、それはさておき、

「豊洲地域の開発が滞ってしまった影響も含めれば数千億円の損失にもなりかねない。オリンピックで街が変わる、という恩恵や夢がない大会になるでしょう」(同)

“虚無感”しか残らない。

週刊新潮 2018年6月21日号掲載

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