外務省「ロシア課長」セクハラ隠蔽に“vs.記者クラブ”の冷戦

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抗議文を提出

 別の記者はこうも言う。

「通常、人事にかかわる案件は、必ず報道課の職員が記者席にペーパーを配布するのですが、それもなかった。できるだけ情報を公開せず、隠蔽したいという意図がミエミエです。それで、秋葉剛男外務次官を取材しようと接触したところ、立ち会った若い報道課の職員がICレコーダーを回し始めた。圧力なのか威嚇のつもりなのか分かりませんが、何を守ろうとしているのか」

 業を煮やした外務省の記者クラブ「霞クラブ」は、幹事社の連名で〈報道課の不適切な対応により、全社が重要事案にかかる報道に支障をきたしました〉との抗議文を提出したという。

 かつて伏魔殿と揶揄された外務省の隠蔽体質は今も健在というわけだが、そうまでして隠したい不祥事なのか。

 ある外務省幹部によれば、

「官僚の世界で停職9カ月はかなり重い処分。女性が相手なら、セクハラだけではなくストーカーまがいの脅迫や、準強姦に相当するような行為がないと下されない。省としては内々に辞表を出すよう毛利前課長に迫ったが、拒否されたので処分となった。毛利氏は5月26日の日露首脳会談に同行しており、短期間で発覚したことになります」

 付言すれば、毛利氏には妻子がおり、被害者の女性職員にも夫がいるという。

「女性は30代半ばで、以前からダブル不倫の状態にあった。けれど、外務省の風土として不倫くらいで今回のような重い処分にはならない。実はもう1人、被害を訴えた女性がいて三角関係が拗(こじ)れた挙句に修羅場となったのではという話もある」(同)

 引き続き、記者クラブは外務省を糺していく構えだが、米朝首脳会談では蚊帳の外と皮肉られ、北方領土問題も進展ナシの日本外交。“冷戦”なんてしている場合か。

週刊新潮 2018年6月21日号掲載

ワイド特集「あじさいに 欺かれけり」より

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