コースも選手もルールさえも「紙一重」だった「全米オープン」
「成功するか、失敗するか。その差はファインラインだ」
全米オープンを主催するUSGA(全米ゴルフ協会)は、118回目の開催となった今年の開幕前から、そう言っていた。
「ファインライン」とは、直訳すれば「細い線」。ほんのわずかな差、紙一重の差のことである。
ニューヨーク州ロングアイランドの「シネコックヒルズGC」が全米オープンの舞台になったのは、今年が5回目。前回開催の2004年大会では、予想外にコースが干上がり、最終日のプレー途中でグリーンに水を撒くという前代未聞の事態となり、「大失敗の全米オープン」のレッテルを貼られた。...