フィリピンで逮捕の15歳少年が激白 今どき100兆円「山下財宝」発掘に駆り出された理由

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年に4人ほど会いに来る

 逮捕後には全員が起訴され、少年を除いては裁判が待ち受ける。有罪になれば、5万ペソくらいの罰金。主犯格には、更に3年以下の禁固刑が科せられる可能性があるという。

 さて、今回の探索チームのリーダーご当人は、

「許可を取ってやっているのに騙されたということです。これからの裁判のことについては言えません」

 と多くを語ろうとしないが、意気軒昂にこう継ぐ。

「これは良いネタになりますよ、ものすごく面白い話だから。テレビなら2時間の特番が出来るくらいにね。山下財宝で動いている人はゴマンといる。ウソ話も8~9割、千三つだと思っていますけど。実は最近も、(今回の現場の)近くで財宝を見つけようと動いたグループがいるんですよ。(それが日本人かどうかなど)詳しいことは言えない」

 他方、地元の副町長はこう主張する。

「その責任者と勾留中に警察署で話をしました。彼は“20万ペソをある男に払った”と言っていたけれど、それが何者かはわからない。ともあれ、彼らのやったのは、イリーガルなことだ」

 最後に、『山下財宝』の著書もあるノンフィクション作家の生江有二氏は、こんな話を披露してくれる。

「財宝という言葉の響きには人を惑わすものがあるようです。最近でも年に4人ほど、私に会いに来る日本人がいます。みな一様に生活に疲れた感じで、人生一発逆転を狙いたいといった感じの人たち。でも彼ら、肝心の山下財宝が具体的にどういうものかは知らない。“捏造だよ”と話して聞かせると、みながっかりした表情で帰って行きますよ」

 マレーの虎からマネーの虎へ。山下刑死から七十余年を経ても俗人を狂わせて止まないのである。

週刊新潮 2018年6月14日号掲載

特集「逮捕の『15歳少年』が激白! 今どき100兆円『山下財宝』発掘に駆り出された理由」より

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