大阪地震で9歳女児の命を奪った「ブロック塀」 必ず崩れると覚悟せよ

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高槻市も「違法建築物」と認める

 ブロック積工として「現代の名工」にも選ばれた、一級ブロック建築技能士の小林徹氏(46)は、公益社団法人・日本エクステリア建設業協会理事も務める。

 小林氏はブロック塀が倒れた際に生じる桁違いの破壊力について警鐘を鳴らす。

「ブロック塀は1個が15キロ。たったの10個で150キロに達します。まして8段40メートル分の重量が、1.9メートルの高さから落下したとなると、その衝撃力は私のような人間でも想像を絶するレベルです」

 どうして、このような倒壊事故が発生してしまったのか、さる施工業者が匿名を条件に取材に応じた。

「小中学校などから『プールの周囲をブロック塀で隠してくれ』という依頼は、近年になって増加傾向にあります。特に古い学校は道路側からプールが丸見えのところも少なくありません。そして最近は児童や生徒を、変質者などの目から隠す重要性が高まっています。そのためにブロック塀を積み上げるんです」

 建築基準法施工令でブロック塀は地上から高さ2.2メートルと定められている。一方、寿栄小学校の塀は3.5メートルだ。

「現場の小学校に行ったことはありませんが、高さ3.5メートルの壁となると相当な威圧感でしょう。塀に森や恐竜のようなイラストが書かれていたのをテレビで見ましたが、あれで圧迫感をごまかしていたんだと思います。地震後の空撮写真を見ると、基礎部分に鉄骨が入っているようには見えませんでした。高い壁を補強する『控壁(ひかえかべ)』も見つけられなかったですね」

 高槻市は18日、倒壊したブロック塀は「違法建築物」であることを認めた。

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