77歳「山東昭子」も出馬の意向 “70歳定年制”崩壊

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 住友中興の祖・伊庭貞剛(いばさだたけ)は、〈事業の進歩発達に最も害をなすものは、青年の過失ではなくて老人の跋扈(ばっこ)である〉と言って引退した。

 では、永田町の“老人”はどうだろうか――。

 来夏の参院選に向け、候補者調整をする自民党が、比例代表の“70歳定年”規定で揉めている。定年を迎える議員は、77歳となる山東昭子元副議長や、71歳となる衛藤晟一首相補佐官、木村義雄議員ら9人。

「先月末の選対との面談で、9人全員が特例を適用した立候補を希望しました。定年を拒んでいるというわけです。全員特例なんて、もはや特例でも何でもない」

 と自民党関係者も苦笑い。

 参院比例代表の定年制が導入されて30年が経つが、今日まで例外規定の内容は変遷してきた。現在は、総裁が有為な人材と認めるか、支援団体が余人をもって代えがたい候補者と決定し、総裁が認めれば立候補できる、という特例がある。

 さる自民党中堅議員は例外措置には反対だ。

「山東さんなんて、13年の選挙でも例外規定が認められている。次も認められて当選すれば、83歳まで議員を続けるんです。このままではロートルが詰まってしまい、若手議員が要職に就けません」

“ロートル”呼ばわりのご本人たちは何と答えるか。

「支援して頂いている30以上の団体からの要望を受け、特例での立候補を希望します」(衛藤晟一事務所)

「ライフワークである社会保障の課題や地元での課題解決をするため、特例を希望します。米国では年齢差別禁止法もあり、日本の昔の平均寿命は65歳前後でしたが、いまや85歳以上です」(木村義雄事務所)

 天寿を全うするまで政治家で居るということか。どうやら老人の跋扈は収まりそうにない。

週刊新潮 2018年6月14日号掲載

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