ニュースター相次ぐ男子 18年目の初V「市原弘大」
スター不在と言われる国内男子ツアーだが、今季はニュースターが相次いで生まれている。4月の「東建ホームメイトカップ」での重永亜斗夢(29)、5月の「ミズノオープン」での秋吉翔太(27)、そして――。
茨城県・宍戸ヒルズCCで開催された国内メジャー第2戦「日本ツアー選手権森ビル杯」で市原弘大(こうだい)が優勝した。36歳でプロ18年目の市原は、これがなんとツアー初優勝である。
最終日、首位の時松隆光から5打差の5位で発進した市原は、前半4バーディノーボギーながらも、11番、13番、14番とボギーを叩く。この時点で首位の時松とは4打差。残りは4ホールしかなく、優勝戦線から大きく後退したかに見えた。
しかし市原は、15番、16番と連続でバーディ奪取。平均ストローク4・44とコース最難関の17番パー4もパーでしのぎ、最終18番パー4へと向かった。
ところがその18番、市原の第2打はグリーンを高々と越えて……奥の観客席の壁にぶつかって止まった。
ツアー記者によると、
「一昨年まではこの場所に観客席はありませんでした。もし観客席がなかったら、グリーンからもっと大きくそれていたはずです」
第3打はピンから15ヤード。だが市原は58度のSWでそれをねじ込みチップインバーディで締めくくった。
一方、時松は17番をボギーとし、市原と並んでしまう。そして、18番でも1メートルのパーパットを外し、ジ・エンド。市原の奇跡的な逆転勝利を許した。
「日本ジュニアを制するなどアマで活躍した市原は、プロ入り時は期待の新人でした。が、パターイップスに陥ったり、腰を痛めたり、苦しい時期が続いた。昨季もシード落ちしてしまい、辛くも予選会で出場資格を確保していました」
優勝賞金3000万円ももちろん大きいが、
「それ以上に優勝者に与えられる5年シード権が嬉しいようです」
目下、賞金ランク2位で、全英オープン出場権も獲得。以後お見知りおきを。