最古の「氷室神社」で解任騒動 「宮司」の奇行に氏子が反発

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 かつて、冷凍庫の無い時代、人々は氷室と呼ばれた洞窟に氷を保管し、暑い夏に涼をとった。

 今回の記事の舞台は、そんな「氷室」の守護神としておよそ1600年前に建立された、奈良県天理市福住に鎮座する氷室神社である。

 氏子の一人が嘆息する。

「今の宮司になってから、氷室神社はおかしくなってしまいました」

 この宮司、15年ほど前に赴任してきた60代の男性で、

「前々から、奇妙な教えを実践しているのを目にはしていたのですが、ここ数年でその行動はエスカレート。我々は、この3月に県の神社庁に宮司解任の嘆願書を提出したんです」(同)

 氏子たちに解任動議を出されるほどの奇行とは一体いかなるものか。

「彼は、神社に知人の女性画家が描いたという抽象画を恭しく飾り、その絵をステッカーにして車にも貼っていた。この絵の上に水を置いておけば美味しくなるなんていうのも聞いたことがあります。絵を神格化しているようにしかみえませんでしたね」(同)

 さらに、この“絵”のパワーを信じるのは宮司一人ではないといい、

「神社には時折、地域外から宮司の“信者”が集まって、皆で怪しげな祈祷を捧げていることもあった。気になって様子を窺っていると、祈祷中の本殿には額縁に入った絵が掲げられ、彼らが乗ってきた自動車にも同じ絵のステッカーが貼られていたのです」(別の氏子)

 実は、今から5年前、宮司はこの女性画家とともに一冊の書籍を刊行している。

「その本は氏子たちにも配られましたが“ス神様”“ムー大陸”“神様のお顔が見える”と新興宗教のようなことが書かれていて理解できなかった」(同)

 当の宮司に話を聞くと、

「嘆願書に書いてあることに心当たりがないことはないんですが、もう解決したこと。他の宗教を学んだこともありますが、今は辞めています」

 氏子あっての神社だということ、お忘れなく。

週刊新潮 2018年6月14日号掲載

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