「メルカリ」上場で笑う「“社内”億万長者」の数
映画「フォレスト・ガンプ/一期一会」の中で、主人公のフォレストは「俺たちが稼いだ金を“果物の会社”に投資した」と友人に告げられる。会社は株式上場を果たし、フォレストは自分が億万長者になったことを知る。会社の名前はコンピュータ企業の「アップル」だった。「メルカリ」の株主もまた、フォレストのような幸運を味わうことになるのだろうか。
フリーマーケットのアプリ運営会社・メルカリが東証マザーズに上場するのは6月19日。証券界にとって今年最大級のイベントと言っていい。
「本来は昨年12月にも上場を予定していたメルカリですが、盗品の出品など、違法な取引が相次いだため、株式公開を延ばしていたのです。6月というタイミングは、他に大きな株式上場がなく、資金を集めやすい面もありました」(証券会社幹部)
注目を集めているのは、その株価だ。想定では1株2200円~2700円というから、高値が付けば時価総額3700億円になる。
ところが、メルカリは、直近の売上が約220億円に対して、最終損益で42億円の赤字(2017年6月期)。どうして、そんなに高く評価されるのだろうか。
ロータス投資研究所の中西文行氏(元SMBCフレンド証券投資情報部長)によると、
「2年前にLINEが東証1部に上場した時も決算は赤字でした。IT企業の場合、直近の業績は株価の参考にならない。メルカリの売上は倍々ゲームで伸びていますし、同社のIR担当者が機関投資家に対して黒字化するスケジュールを提出しているはず。その上で妥当な額として弾き出された株価でしょう」
となれば、同社の株主も一日千秋の思いで上場を待っているはずだ。
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