「井上コーチ」と日大の密な関係性 実家は“バウムクーヘン”納入業者
大学から利益
これまで日大系列校の指導者となるには、原則的に付属校の出身者が優遇されてきた。いわば井上コーチは、大学から日大閥の仲間入りを果たした外様ゆえ、
「彼を知るアメフトの関係者は、皆一様に“井ノ口さんに引っ張ってもらったんだろう”と言いますね」
とは、古参のアメフト部OBだ。日大のドンこと田中英壽理事長の懐刀として活躍する“黒幕コーチ”井ノ口忠男理事と、井上コーチの接点はまさにバウムクーヘンだったと話を継ぐ。
「井上コーチの実家であるお菓子屋は、バウムクーヘンを主力商品にしているのですが、大阪市内で直営店を兼ねたカフェをやっている。JR大阪駅にも程ちかい、人通りの多い堂島の一等地ですが、入居しているのは井ノ口理事が所有するビルの1階。井上コーチは家族ぐるみのつきあいで、『黒幕コーチ』と強い絆があることが分かります」
それだけではない。かの「日大特製バウム」を販売しているのは、井ノ口理事が運営を一手に担った「株式会社日大事業部」と聞けば、井上コーチとフォーメーションを組んで、カネのなる木に突進する様が目に浮かぶ。同社は、日大に関する物品の調達、業務委託、各種システム関連など多岐に亘る業務を管轄している。
だが、肝心の「日大特製バウム」の箱に記された製造販売業者は、井上コーチの実家の菓子屋ではない。
そのため、井上コーチの実家に何度問い質しても、
「私共が、日大にお菓子を納入しているなんてことは、これまで一切ありません」
と嘯(うそぶ)くばかりだが、そこにはこんなカラクリがあると先の校友会員が話を継ぐ。
「井上コーチの実家は、製造元から菓子を買い取り、それを別の販売業者へと卸して日大に上納しているんです。いわば仲介役に徹することで、決して製品表示から井上一家が絡んでいることは分からないようにしている。間違いなく大学から利益は得ていますよ」
どこまで学生を食い物にするつもりなのか。
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