東京は「座れる通勤電車」ブーム 大阪は「20年間検討中」のなぜ?

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首都圏と関西圏は通勤時間が違うのか?

 首都圏を走るJR東日本の普通列車グリーン車は、満席であることも珍しくない。ホームで追加料金を払ってSuicaやPASMOに記録させたにもかかわらず、2階建ての上も下も空席がなく地団駄を踏んだ会社員も多いだろう。

 ところが関西の利用率は10%台だったというのだ。空席があるどころの騒ぎではない。おまけに「ただ乗り」も多かったという。いかにもケチな関西人らしい(?)と言える。

 実はネットでも「関西圏には普通列車グリーン車や通勤専用列車が充実していない」と話題になることがある。その時に「首都圏と比較すると、関西圏は通勤時間が短い」との理由が挙げられることも少なくない。決して関西人はケチではないという指摘だ。

 本当かどうか、総務省統計局が発表している「通勤・通学時間が長い!?ランキング」を見てみる。これは11年に実施した社会生活基本調査の結果をもとに作成したものとして、ネット上で公開されている。

 これによると、1位は神奈川県で平均1時間40分、2位は埼玉と千葉両県で1時間34分。4位は東京で1時間30分。上位は首都圏が独占していることが分かる。

 だが、5位以下は、しっかりと関西圏が並ぶ。5位の奈良県は1時間28分、6位の兵庫県は1時間23分。大阪府の7位は意外だとはいえ、通勤時間は1時間18分だ。トップの神奈川県と22分しか変わらない。首都圏でも関西圏でも通勤は大変なのだ。

 東京も大阪も通勤時間は、それほどは変わらない――。となれば、やはり関西の現状を解説する理由は「関西人がケチだから」ということになってしまう。

 ケチ、ケチ、ケチ、と関西の読者はご立腹かもしれない。だとしたらお詫びを申し上げたい。だが、流れが変わるかもしれないと思わせるトピックがある。

 京阪電鉄が17年8月20日から大阪の淀屋橋駅と京都の出町柳駅を結ぶ特急列車に「プレミアムカー」を連結。更に翌21日からは全車両座席指定の列車「ライナー」の運行をスタートさせたのだ。これは朝に1本だけ運行するもので、大阪府の枚方市駅・樟葉駅を出発し、京橋駅と淀屋橋駅が終点となる。

 つまりJR東日本の「普通列車グリーン」と首都圏私鉄の「座れる通勤電車」を同時に開始した格好ということになるだろう。

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