選手を殴り合わせ、自主性を奪い… 日大「内田監督」の“洗脳”指導

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視野狭窄

 仮にあなたが宮川選手だったらと問うと、

「やらないと思います。“できません”とはっきり断るのではなく、何も言わずに試合に出て、プレーの中で全力を尽くす。だけど、彼はそんな考えに至らなかった。つまり、それだけ精神的に追い込まれていたということだと思います」

 試みに、他大学のアメフト部選手に訊くと、

「(内田監督の右腕で、辞任した)井上(奨)コーチは“関学との定期戦がなくなってもいいからやれ”と言っていますね(本人は否定)。これは、歴史と伝統のあるとても大事な試合が中止になってもよいほど、監督はお前のことを思ってくださっているんだぞと畳みかけている。狡猾ですよ」

 最後に、精神科医の片田珠美氏の解説を聞こう。

「ある種の洗脳状態にあったと思います。洗脳というのは、弱みを握られていると非常にかかりやすい。実際、宮川選手は“言うことを聞かなければ試合に出られない”という状態にあり、結果、内田監督は彼を支配していたと言えるでしょう」

 それに加えて、

「内田監督は日本代表にも“行くなよ”と追い詰めています。そういった、いわばムチで叩いたところで、“QBを潰せば試合に出す”とアメをちらつかせる。宮川くんにしてみれば、蜘蛛の糸にすがるような思いで、そのアメに飛びついてしまったのではないでしょうか。しかし、洗脳状態とは、視野狭窄、思考停止になってしまうものなのです」

 覚醒して“自主”会見した宮川選手。首脳陣にしっぺ返しを食らわせた恰好である。

週刊新潮 2018年6月7日号掲載

特集「『内田監督』は永久追放! 『日大』の断末魔」より

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