実名リスト掲載 成人病への招待状“味覚破壊トリオ”を使った「カレールー」「パスタソース」

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WHOも“摂取すべきではない”

 問題はまだある。

「うまみ成分トリオ」の1つであるタンパク加水分解物は、生成の過程で発がん性物質が発生することが分かっているのだ。

「タンパク加水分解物とは総称で、正確には、液体状のアミノ酸液と粉末状のタンパク加水分解物に分けられます。前者は安い醤油やソースに使用され、この液体状のものを粉末状にして使いやすくしたものが後者、ということになります」

 と、『なにを食べたらいいの?』(新潮文庫)の著者で「加工食品診断士協会」代表理事の安部司氏。

「ちなみに使用されているタンパク質には植物性と動物性があり、前者は大豆など、後者は魚や肉などの可食部分を使用します。ただし、大豆の場合、安い遺伝子組み換えの脱脂大豆が使われることが多いし、魚や肉の場合、他の用途に使われなかったくず肉などの残渣(ざんさ)部分、あるいは煮汁の残りなどが使われます」

 これらの原料に塩酸を反応させ、うまみ成分を取り出して粉末化したものがタンパク加水分解物で、

「その最大の問題は、原料に塩酸を反応させる過程でクロロプロパノール類と呼ばれる塩素化合物が発生することです。この物質には発がん性が認められていて、WHO(世界保健機関)も“安全許容が設定できない”と表明、事実上、摂取すべきではない、と言っているのです」

 と、安部氏。それゆえ、

「海外の多くの国では、食品などからこのクロロプロパノール類を取り除くことが推奨されており、厳しい残留基準が設けられています。EUでは0・02mg/kg、国連の外部組織であるコーデックス委員会は0・4mg/kg、アメリカは1mg/kgといった具合です。一方、日本では残留基準が一切設けられておらず、平成16年度の農水省の調査で、最大7・8mg/kgの混合醤油が見つけられたこともあります」

 最後にもう一度、(上)で掲載した加工肉のリストを見て欲しい。★が付いているのは、亜硝酸Na、ソルビン酸(ソルビン酸カリウム)、リン酸塩に加え、タンパク加水分解物、化学調味料、酵母エキスの「うまみ成分トリオ」も含まれている商品だ。さらに、■が付いている商品には赤色102号も使われている。唯一、★も■も付いているプリマハムのカルパス「北海道十勝 ロングドライ」は“7重苦”商品ということになろうか。

 繊細な味覚を持ち、食の安全に敏感と言われる日本人。しかし、食品添加物に関しては、日本の基準はあらゆる面で緩い。やはり、原材料表示を確認して“自衛”するしかないのだ。

週刊新潮 2018年5月31日号掲載

特集「大反響! 食べてはいけない『国産食品』実名リスト 第2弾」より

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