「かぼちゃの馬車」に引っかかった元Jリーガーの不運

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 苦労の末、栄光を手にした女性の成功物語をシンデレラストーリーという。一方、若いうちに栄光を極めてしまったこの男の人生には苦労と不運がつきまとう。

 今年1月に引退を発表し、現在は仙台大学に通う元Jリーガーの平山相太(32)のことである。スポーツ紙の記者によれば、

「平山は2017年に11年間所属したFC東京からベガルタ仙台に移籍。でも、仙台では一度もピッチに立つことなくユニフォームを脱ぐことになってしまいました」

 度重なる怪我に苦しめられ、国見高校時代に“怪物”と呼ばれた往時の姿は見る影もなし。しかし、

「実は、この時期の平山を苦しめていたのは怪我だけではないんです」

 と声を潜めるのは、さる経済誌記者である。

「彼はFC東京時代の15年、東京郊外にある投資物件を購入したんです。ただ不運なことに、それが、今、巷で問題になっている『かぼちゃの馬車』だったのです」

 ご存知の通り、かぼちゃの馬車とは5月15日に破産したスマートデイズ社の女性向けシェアハウスのことである。

「物件のオーナーは30年の家賃保証を受けられるというのが、最大のウリでした。しかし、それも昨年10月頃から遅配となり、平山が引退を決意した1月からは一切支払われなくなってしまった。あてにしていた家賃収入は水泡に帰し、彼の手元には普通の賃貸としては利用できない建物と割高な価格で掴まされた土地。そして、スルガ銀行から融資された1億円近いローンだけが残ったのです」(同)

 約束の時を待たずして魔法が解けてしまったかぼちゃの馬車。所属事務所を通じて取材を申し込んだものの沈黙を貫く平山だが、彼が“馬車”に乗り込んだのには理由があるといい、

「当時、彼がいたFC東京で流行っていたんですよ。他にも何人もの選手が餌食になった。平山も将来のことを考えて投資したのでしょうが、気の毒としかいいようがありません」(同)

“魔法の馬車”など使わずに再び栄光を手にする平山の姿をファンは待っている。

週刊新潮 2018年5月31日号掲載

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