高解像度で日本代表を応援…?  NHKが突っ走る「8K」に疑問符

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 ようやくハイビジョンが浸透してきたかと思えば、今や家電店のテレビ売場を占めるのは解像度がその4倍に増えた「4K」。4Kってどれだけ凄いの、なんていってる内に、総務省やNHKでは今度はさらに上をいく「8K」が登場。

 特にNHKは8Kに本腰を入れる。12月からは世界に先駆けBSで実用放送を開始の予定。その前哨戦とばかり、来月開催のロシアW杯では「8Kでサッカー日本代表を応援しよう!」と、日本の初戦、19日のコロンビア戦を含む8試合を8Kで流す。臨場感を体感してもらうため、渋谷のNHKみんなの広場、グランフロント大阪など、全国6カ所に大画面パブリックビューイングを設けるそうだ。

 8Kの「K」とは単位名に冠し1000倍を表す「キロ」の記号のこと。横の画素数が8000に近いのでこう呼ばれる。画素数の多さ、即ち精細度が高く、大画面なほど映像の臨場感は増す。8Kの臨場感を味わうための理想の画面サイズは80型以上、最低でも畳1枚分ほどの大きさが必要となる。

 8Kの解像度は、街の風景なら群衆一人一人の表情から建物の奥行きまで、画面が立体に感じられるほどだ。

 上智大学の碓井広義教授(メディア文化論)は、

「スポーツ中継や大自然の風景といった映像だけならともかく、NHKはいずれ大河ドラマなども8Kで流すでしょう。でも、たとえば『西郷どん』篤姫役の北川景子さんが、輿入れが決まり涙を流す感動のシーンを、実物以上の大きさのアップ、毛穴の奥まで見える鮮明さで見たいと思いますか。どんなに高精細な画面と謳われても、一般家庭には過剰な技術だと思いますよ」

 8Kで観戦すれば、日本代表が勝つ! というわけでもないしなぁ。

週刊新潮 2018年5月31日号掲載

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