日中合意を利用? 安倍総理“北海道票”欲しさでトンデモ発言

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 厳冬が過ぎ去った春麗(うらら)かな北海道。今月10日、かつての秘書官が追及を受けていた永田町から遥か離れたビール園で地元議員らとジンギスカン鍋を突(つつ)いていたのは安倍総理である。

 李克強・中国首相の視察同行などというのは建前で、北海道訪問の最大の目的は総裁選の地方票開拓。ところが、自民党道連の関係者ら約100名が集ったこのジンギスカンパーティーで、

「安倍さんは、地方票欲しさに、とんでもない発言をしてしまったのです」(自民党関係者)

 というから穏やかでない。

 この関係者によれば、

「挨拶に立った安倍さんは、李首相との会談で、中国にコメを輸出する際の指定工場に北海道の精米工場を追加したことを披露。これが問題視されているんです」

 実は、中国への輸出米は同国指定の工場で精米する必要があり、現在認可されているのは神奈川県にある1カ所だけ。そこに北海道の工場が加えられれば、当然、道内に莫大な利益をもたらすことになる。

「この一言で参加者からは口々に歓声が上がり“安倍総裁再選”コールまで沸き起こっていました」(同)

 外交は内閣の専権事項とはいえ、これでは総裁選の北海道票欲しさに日中合意を利用したと思われても仕方あるまい。

 政治部記者によれば、

「安倍総理がそこまでして歓心を買いたかったのにはワケがあるんです。北海道は“民主党王国”と呼ばれたほどリベラル色の強い土地柄で、地元議員の多くは保守色の強い安倍さんと距離があった。だから総裁選までになんとしてでも餌を撒いておく必要があったのでしょう」

 振り返れば安倍総理が票欲しさに地方に阿(おもね)るのは今回が初めてではなく、

「先月13日に大阪を訪問した際にも、党府連の議員を招いて宴会を開催。都構想問題で不満のくすぶる議員たちを前に“都構想反対”と言ってのけた。それでも外交をダシに使うなんて禁じ手は使いませんでしたけれどね」(同)

 羊頭をぶら下げて利権を食わせた安倍総理であった。

週刊新潮 2018年5月24日号掲載

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