なぜインド人観光客は「東京・お台場」に建つ「自由の女神」が大好きなのか?

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日本には「100パーセント満足」

「実のところ、日本という国は外国人観光客に優しくはありません。インド人は宵っ張りで、夕食は午後10時ごろです。日本では、ラストオーダーが午後9時半というレストランも珍しくありません。菜食主義の厳密な定義も知られていませんので、肉や魚が少し使われた野菜料理を提供され、宗教的なトラブルになった事例さえあります。朝は寝坊し、ゆっくりと風呂に入ります。インド人にとっては、日本のホテルが午前11時のチェックアウトが多いというのも、極めて不便です」(マルカスさん)

 日本の観光産業は、日本人だけを相手にしてきた。サービスするという“おもてなし”の意欲や精神は、外国人が相手でも充実しているかもしれない。だが、実際に提供される“おもてなし”の内容となると、外国人が不満を感じることも少なくない。

「不都合は数え上げればきりがありませんが、それでもインド人は日本が大好きになります。100%満足して帰ります。それは80〜90年代に日本でバックパッカーが大挙してインドに向かい、カルチャーショックを受けたことの逆が起きるからです」(マルカスさん)

 マルカスさんは、インドで日本人観光客の案内に従事してきた。聖も俗も混沌とした、文字通りカオスな空間に熱狂する日本人は少なくなかった。インド人も日本に逆の感動を覚える。日本という国が極めて整然としていることに驚き、魅せられるのだ。

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