一桁視聴率が続きで「コンフィデンスマンJP」のカンフル剤は「副音声」 その効果は?

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作り手の苦悩

 そして第7話には古沢が登場し、産みの苦しみ、作品評価に対する愚痴(?)をこぼすのである。中でも、家族を描いた第7話は、自身でも気に入っている作品らしく、

「この回だけでワンクール書けるんじゃないかってくらい気に入っている。傑作だと思うんだけどなあ……」

 そこに小手が、苦労して手に入れた証券が次のシーンであっという間に現金化されていることについてツッコむと、脚本家は――

「それはいいんです! そういう世界。モラルも倫理も関係ない世界を作りたかった。細かいとこにとらわれず、好きなように、自由に生きてもらっていいよ、と」

 そして毎回、舞台が代わることの苦労を語り出す。

「毎回違うドラマを書いているようで大変だった。もうちょっと評価高くてもいいじゃないか……。ハチャメチャなドラマを全力で書かせてもらった」

 その出来には満足げではあったが、視聴率は8.9%。今のところ副音声の効果はあまりないようである。コラムニストの林操氏が言う。

「確かに第7話はドラマの出来も良かったと思います。それに副音声も聞き応えがありました。脚本家が自ら放送中の自分のドラマに出て、このドラマを嫌いな人には『あなたのための番組ではなかった』と言い切ってしまうのも珍しい。また、この副音声を『録画率アップのため』とはっきり言っていたのも、ある意味で気持ちがいい。実際、録画視聴率では4位と健闘していますから、まったく効果がないとは言い切れない。ジャニーズの出演していないドラマなのに録画率が高いのは立派です。さらに、古沢さんは他局の古いホームドラマを挙げて、『いまはないホームドラマを作りたくて第7話を書いた』とも言っていました。これをフジの上層部が聞いていて『ならばウチで書いて下さい』と言えるなら、フジに復活の目はあるのかもしれません。でも、『やすらぎの郷』をテレ朝に持って行かれた局ですからねえ……」

 さらに視聴率、もしくは録画率を引き上げるには、副音声に主演の長澤、そして小日向に出てもらうしかあるまい。最終回の第10話(東出が副音声で暴露)まであと3話だ。

週刊新潮WEB取材班

2018年5月27日掲載

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