アッという間に七段になってしまった「藤井聡太君」の“悩み”とは?

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芸能人ではない

「今年(18年)3月24日に中日新聞主催の『名古屋城こども王位戦』に彼と私がゲストに呼ばれたんですが、その合間に名古屋城周辺を2人で歩いていたんです。すると、観光客がすごい勢いで寄ってきて、あっという間に20~30人に囲まれてしまったんです。私が目を離したスキに、彼と私の間に入り込んで記念写真を撮ろうとする人がいたりで、彼も随分困惑していましたね。人気があるのは私にとっても嬉しいのですが、棋士は芸能人ではないので、集中力を削ぐことにならないか心配でもあります。一時は私も、変装グッズをプレゼントしようかとも思ったんですが、そういうのを好むタイプでもないのでやめました。ですから、観光地では伏し目がちで目立たないようにしようと……」

 師匠のおっしゃる通り、藤井七段はアイドルを目指したわけでもないのだから、過剰に騒がれるのは、決して本意ではないだろう。将棋さえやっていなければ、高校1年生になったばかり、その昔ならバイクでも盗もうかという15歳の男の子である。コンビニにすら気軽に寄れないのは辛いだろう。師匠が続ける。

「この間は2人で晩御飯に行ったんですけどね。私も初めてのレストランでしたが、お客さんも少なくて快適でした。人の目が気になる彼のことですから、気に入ってくれたと思いますよ。え?何を食べたか? 彼はハンバーグでしたね。オーダーの方が彼に気づいて、唐揚げをサービスされてましたけど……。まあ慣れるしかないのかもしれません。羽生竜王もおひとりで行動されていますからね」

 藤井七段はこのまま竜王戦を勝ち進めば、ラスボスとして立ちはだかるのがタイトルホルダーの羽生竜王である。10月~12月にかけて行われる7番勝負で、もし竜王を倒すことが出来れば、16歳での8段昇段が待っている。むろん史上最年少である。

週刊新潮WEB取材班

2018年5月26日掲載

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