藤田菜七子が隠したい“馬脚” GI目前で「初物」争奪戦始まる?
例えれば、のど自慢荒らしが修練を積み、紅白のステージに立つようなものか。JRA(日本中央競馬会)唯一の女性騎手として、一昨年デビューした藤田菜七子(20)。最高の舞台に辿り着くまで、あとわずかだという。
さる競馬記者が言う。
「藤田はデビューの2016年に6勝を挙げ、昨年は14勝。今年はすでに6勝で、ほかJRA所属馬に乗って地方競馬で2勝しています」
現在トータルで28勝、あと3勝すれば競馬の最高峰「GIレース」への出場資格を得られるのだが、
「4月14日以来、勝利から遠ざかっています。今年中の到達は間違いないところですが、足踏みが続いている状態です」(同)
生みの苦しみというわけだが、藤田が所属する美浦トレーニングセンターの根本厩舎に聞くと、
「3つ勝つのは簡単ではありません。それは菜七子が一番よく分かっている。最近は2着、3着が多いこともあり、本人はイライラしています」(根本康広調教師)
師匠の言葉通り、12、13両日は藤田が「得意にしている」という新潟競馬場でも、計12レースで勝利に見放されてしまった。
「GIともなれば、0・1秒の中に8~9頭も入ってくる。1着と2着では賞金額も全然違うから、馬主さんも勝てる人を乗せたい。もし先々、太っ腹な馬主さんから『菜七子に乗ってほしい』とのオファーがあっても、そのプレッシャーをはねのける技術と度胸があるのか。それには経験を積み上げ、センスを磨くしかないから『引き出しをたくさん作っておけ』といつも言っているのです」(同)
[1/2ページ]