「ビートたけし」の勲章授与 裏で“安倍官邸の大物”の暗躍

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“電話をしただけ”

「小泉元総理の秘書官として知られ、現在、安倍総理のブレーンとなっている飯島勲内閣官房参与です」

 と声を潜めるのは、官邸関係者である。

「たけしに紫綬褒章を渡すという話は、最初が2000年代初め、2度目は5年ほど前です。その2度目の紫綬褒章の話を断った際にも飯島さんが、説得に動きました。それでもダメで、結局辞退しています。政府内では、たけしは勲章の類を受け取らないという認識になっていた。そのため、いざ、勲章が欲しくなった時に、もはや声が掛からない。そこで飯島参与が受章者の選考をしている内閣府賞勲局に手を回したのです」

 さて、当の飯島内閣官房参与は何と答えるか。

「そんなことは有り得ない」

 と働きかけを否定したうえで、次のように言い添えた。

「一昨年の11月にフランスから私もレジオン・ドヌール勲章を貰いまして、たけしさんはその直前に同じ勲章を貰っていた。私は叙勲式で、フランスの要人から“なぜ彼は日本で勲章を貰えないのか?”と聞かれてね。それで、“冗談じゃない、本人が過去に辞退したんだ”と説明したんだ」

 ただし、それで終わりにしたわけではなかった。

「一応、状況を確認しようと思って、賞勲局に電話したってわけさ。フランスでこんなこと言われているけど、どうなんですかって聞いたら、“ちょうど審議中です”って言われただけ。だから、俺が動いたわけじゃまったくない。飯島が動いたからだと言う人がいるなら、それは忖度だよね」

 国会を停滞させたモリカケ問題と相通じるものがある。人はそれを特別扱いや口利きと言うのだが……。ともあれ、叙勲の場で次は文化勲章や国民栄誉賞へのイロケを口にしたたけし。すでに根回しを始めていても不思議ではない。

週刊新潮 2018年5月24日号掲載

特集「『ビートたけし』勲章授与の裏で暗躍した『安倍官邸の大物』」より

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