スパルタ刑務所で“ゴマスリパシリ”だった平尾脱獄囚 逃亡成功で周囲からヒーロー扱い?

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今後の平尾は…

 では、今後の平尾はどうなるのか。

 彼が問われる可能性がある罪は、刑務所から逃走した「単純逃走罪」、別荘に勝手に入った「住居侵入罪」、そして、逃走や潜伏に当たって、車や金などを盗んだ「窃盗罪」などだ。

 これらの最高刑を合わせると、懲役14年になる。社会的な影響も考え合わせると、重罰が科される可能性が高く、残りの刑期と合わせ、平尾は今後5〜10年は、大井作業場ではない、別の「獄」に繋がれることもありえそうなのだ。

 さすれば、虚仮(こけ)にされた格好の刑務官たちからは、“標的”となることは目に見えている。

 そうでなくとも、日本の刑務所では、2001年、名古屋刑務所で、刑務官が消防用ホースで受刑者の肛門に放水し、直腸裂傷などで死亡させた「名古屋事件」を筆頭として、繰り返し、刑務官の“問題”が表面化する世界である。

 さすがに暴力まではいかなくとも、これまで20年弱を全国の塀の中で過ごしてきたという、元受刑者によれば、

「刑務官に目を付けられると、さまざまなことで“理不尽な”扱いを受けることになります。私の場合は、娑婆にいる知人との手紙での交流を申し出たところ、認められたかったら、相手の住民票を提出せよ、と言われた。あまりにおかしいので裁判を起こしたら、今度は私に来ていた手紙が勝手に止められてしまったのです。また、工場をごく短い期間でたらいまわしにされたこともありました」

 というから、平尾にとって、辛い生活が始まるのは確かなのである。

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