“段ボール一杯のピン札”から“錦鯉”まで… 「田中角栄」カネの流儀
〈田中角栄のカリスマは、金を最大公約数とし、最小公倍数に、彼の実人生上の神話がある〉
長らく角栄の金庫番を務めた愛人、佐藤昭女史をルポした「淋しき越山会の女王」の中で、著者の児玉隆也はそう書いている。
今年は角栄が生まれてから100年、死去してから25年の節目に当たる。幾星霜を経ようと、その栄光と転落の75年の人生が色褪せず、折に触れて「角栄ブーム」が起こるのは、人々がそこに神話めいたものを見出しているからだろうか。自らの才覚と器量で頂まで上り詰めた今太閤。...