日本経済新聞は「#MeeToo」に鈍感、財務省へ忖度しすぎの指摘

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 日本経済新聞社といえば、横山光輝の「三国志」を用いた“日経電子のバァーン!”の大宣伝が目立つから、このところは紙よりもネットに注力しているように見える。だからといって、紙への力を抜いているわけではないはずだ。だって天下の日経だもの。

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 その名の通り経済紙であるから、株価や経済、産業などに焦点を当てた記事が多い日経新聞。1面には、一般紙なら載せないだろうという記事が掲載されることも多いのが、その魅力のひとつである。

 それなのに、日本経済の根幹であり、天下の日経いうところの“最強官庁”たる財務省の事務方トップが、およそ20年ぶりに途中辞任した事実を1面で報じないというのは、いったいどうしたことだろう。

5面経済面で報じた日経

 各紙の4月19日付け朝刊の1面の見出しを見てみると、

朝日新聞:福田事務次官辞任 セクハラ発言報道で 本人は発言否定 「職責全うできぬ」

読売新聞:福田財務次官辞任へ 「職責果たせず」セクハラは否定

産経新聞:福田財務次官更迭 遅きに失した対応 政権打撃

毎日新聞:財務次官が辞任 テレ朝「社員セクハラ被害」 政権さらに打撃

東京新聞:福田財務次官更迭 セクハラは否定 被害はテレ朝社員

 そして日経の1面トップはというと、「介護保険料 止まらぬ上昇 自治体の8割上げ/健保も3割」である。「福田次官辞任へ、セクハラ疑惑、政権に打撃」は5面の経済面。ちなみに「新潟知事が辞表提出 女性問題 原発再稼働に影響も」はそれより前の4面政治面となっている。一応、2面の社説では「セクハラ問題で辞任は当然だ」と勇ましいのだが、肝心の記事がその後ろというのも奇妙な話ではないか。

 さらに日経以外は1面トップどころではない。2面、3面、社会面まで割いて報じているし、この日の各紙夕刊のトップもこれ。しかし、日経の夕刊は「米、2国間協定に意欲 貿易協議で合意 日米首脳会談」。

 そりゃあ、官僚の中の官僚である財務省トップの辞任とはいえ、「キスしていい?」「縛っていい?」「おっぱい触っていい?」「ホテル行こうよ」などとセクハラ連発の福田淳一氏(58)を、天下の日経1面に載せなどしたら汚れる! あるいは、週刊誌ふぜいのネタが元となった記事など載せられるか! といった高尚な見識の判断なら別だ――。 

「それはないでしょう。もともと日経と財務省の関係は表裏一体、ズブズブですから。日経の1面を財務省リークの記事が飾るのは珍しくないし、財務省はそれをアドバルーンにして世間や財界の反応を見たりするほどです。経済紙である日経にとって財務省は最重要の取材先ですから、担当記者は出世コースですよ。財務省には“財政研究会”という記者クラブがありますが、日経ではそこの出身者が代々社長になるともいわれているほどです」(全国紙記者)

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