「大塚家具」9四半期ぶりの黒字でも“金庫番”は退職 久美子社長の茨の道はまだ続く

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金庫番も去った

 大塚家具が杉谷氏の退任を同社のホームページに記載したのは5月7日のこと。

〈かねてより療養中だった取締役 杉谷仁志は4月30日付で退任いたしました〉

 との1行である。杉谷氏の病状が心配であるが、

「病状については既に会社を離れておりますし、プライバシーに関わることですので控えさせていただきます」(大塚家具広報)

 事情通が言う。

「社内で療養中なんて思っている者はいませんよ。会社が傾いた時に、健康上の理由で辞めるのはよくあることですから。もともと、杉谷さんは東大から三菱銀行(現・三菱東京UFJ)に入行した杉谷氏は、アパレル会社の総務部長を経て、15年8月に大塚家具にコーポレートガバナンス推進室兼財務部担当部長として入社。翌16年から執行役員財務部長を務めてきました。今年3月26日の株主総会でも、取締役 常務執行役員 総務部・財務部管掌兼財務部長に選任されたばかりでした。だけど、総会の前から辞めたがっていたんですよ。金庫番のまま会社が潰れでもしたら、残務処理も大変でしょうし、なにより次の転職にも差し支えるでしょうからね。会社としても、金庫番に逃げられたとなっては格好がつかないから、慰留して、まず4月1日に財務部長職を解いて、ひと月後に取締役を辞めるという形を取ったんです。だから、発表時ではただの“取締役”ということになる。財務担当役員が辞したと分からないようにしているわけです。やり方が姑息ですよね」(同・業界紙記者)

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