年々早まる「ラン活」に保護者も悲鳴 GWには早くも人気店に長蛇の列
背景には少子化
「ランドセルの製造業者と言えば、昔は12月25日、閉店後の百貨店さんにお邪魔して、徹夜でランドセルコーナーの設置や飾りつけを手伝ったものです。販売開始は翌26日。クリスマス商戦の次という位置づけでした。ところが、80年代後半にバブルが崩壊。問屋さんや小売店さんの倒産が相次ぎます。製造、卸、小売という従来の販売ルートが壊れてしまいました」(同・中村専務)
中村鞄製作所は販路を求め、90年代後半からインターネットによる直販事業をスタートさせる。
「お客さまに直接、販売できる環境が整いました。すると、いわゆる中間マージンを削減できます。我々が自信を持ってお届けするランドセルを、より安価に提供できるようになりました。2000年代に入ると、同じ販売戦略を打ち出す同業他社さんも増えました。少子化の影響で、お客さまが重視するポイントが、価格から品質に変わったことも大きいと思います」(同・中村専務)
こうして現在の“ラン活ブーム”が出現したわけだ。「ならば中村鞄製作所のランドセルは今年、いつ売り切れになるの?」と疑問を持つ保護者は多いだろう。だが中村専務は「申し訳ありませんが、誰にも分かりません」と恐縮する。
「オンラインショップをチェックしていただき、ブルーの色で『注文受付中』と表示されたランドセルは大丈夫です。それが黄色になって『残りわずか』と表示された場合、完売が間近ということになります。これを参考に決めていただくしかありません」
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