ハーバード、スタンフォードに合格者続出 海外進学塾「ルートH」の秘密プログラム
海外進学塾「ルートH」の秘密プログラム(上)
今とは違って順風満帆の内閣が「人づくり革命」を謳っていたこの1月、安倍首相は施政方針演説をこんな風に始めていた。
〈150年前、明治という時代が始まったその瞬間を、山川健次郎は、政府軍と戦う白虎隊の一員として、迎えました。しかし、明治政府は、国の未来のために、彼の能力を活かし、活躍のチャンスを開きました。「国の力は、人に在り」〉
山川は賊軍から一転、イエール大に留学したのち、東京帝大の総長に登用されるなど、国家のために粉骨砕身した。首相自身、「演説の入り方、良かったでしょ」と周囲に自賛したこのエピソードから150年……が本稿のテーマである。
ハーバード、イエール、プリンストンは、米東海岸のアイビーリーグの中でも別格の難易度を誇る大学である。これに西海岸のスタンフォードを加え、その頭文字を取った「HYPS」。世界のエリート層に通じる大学群として音に聞こえているわけだが、当然ながら極めて狭き門だ。
ハーバードに関して言えば合格率は5%で人数にして2000人ほど。留学生に限れば全合格者の1割に過ぎない。他方、東大の合格率は30%超で、例年3000人余が合格・入学する。そんな高い壁へ果敢にチャレンジしてきたのが、教育大手のベネッセコーポレーション。2008年5月に開校した「ルートH」なる進学塾である。
ベネッセの大学・社会人事業本部の藤井雅徳本部長に聞くと、
「これまでの卒業生は67名です。彼らがどの大学に合格し、進学をしたのか、表をご覧になって頂ければと思います。例えば1番の生徒の進学先はハーバードですが、他にイエール、プリンストンなどに合格。一方で、26番の生徒は色々受かったけれどプリンストンに入った。このデータから読み取れるのは、“東大に多くの生徒が合格したが、進学していない”ということです」
東大は滑り止め……。
このスーパーエリート予備軍67名のうち15名がハーバードへ進学。藤井本部長の言う合格者ということなら、その割合はもっと増える。華々しい戦績だ。
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