「南北首脳会談」を異色の在日脱北者が読み解く ウルトラCは“米軍の北朝鮮駐留”?
金正恩がトランプに譲歩する理由
もし南北首脳会談に「政治PRのうさんくささ」を感じた方がおられれば、慧眼の持ち主だということになる。では、もう一方の、北朝鮮の狙いは何だったのか。
「北朝鮮は、国際社会の経済制裁に悲鳴を上げていると考えられます。また金正恩氏は、国際社会で一国の元首として扱われたいという悲願を持っています。この2つを重ねると、米朝首脳会談で金正恩氏は、アメリカに相当な譲歩を示す準備をしている可能性があります。どこまで隠蔽するかは別として、国連による核査察を受け入れる用意はあるのではないでしょうか。場合によっては、『米軍の北朝鮮駐留を許可する』というウルトラCのシナリオもあり得ます。もちろん中露が猛反対しますから、実現はしないでしょう。その上で北朝鮮は、アメリカに恭順の意を示し、トランプ大統領(71)を喜ばせようとするかもしれません。そうなれば、朝鮮戦争の終戦協定を結び、トランプ大統領にレガシー(編注:後世に残る業績)をプレゼントできる。見返りとして考えられるのは、経済制裁の全面解除と、非武装地帯の撤廃でしょう。南北間に普通の国境検問所が設置され、陸、海、空路が整備されれば、南北間で、人、モノ、カネの移動が加速していくに違いありません」
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