中学受験、「9歳の壁」を越えられるか――絶対に失敗しない「塾選び」と「親の関わり方」
絶対に失敗しない「塾選び」と「親の関わり方」――和田秀樹(1)
昨年末、私立大学を運営する学校法人の多くが経営難にある、という記事が新聞紙上を賑わした。少子化への流れを読まずに大学を作りすぎたツケだが、一方で、親が子供1人あたりにかける教育費は、むしろ増える傾向にある。
そのうち多くを占めるのが塾の授業料だ。少しでもよい学校、難易度の高い学校に進ませたくて、世間で評判の塾、進学実績が良好な教室に子供を通わせようとする親が多い。
しかし、子供の学力はブランド力のある有名な塾に入れれば、自動的に伸びるわけではない。子供一人ひとりの特徴や学力に合った塾を選び、親もできるかぎり学習をサポートする。そのことこそが大事で、現に、子供を東大に入れた親の多くがそう証言する。
それでは、授業料を最大限生かすためには、どのように塾を選び、どう活用すべきか。順を追って具体的に示していきたい。
小学校低学年では、子供を勉強嫌いにさせないことを最も優先したい。勉強が嫌いになる理由には二つある。一つは、授業がわからないから。小学校ではクラスの生徒全員に向けて、まったく同じ教え方をするので、その授業についていけない生徒がどうしても出てくる。そして、いったんわからなくなると、子供は「自分は頭が悪い」と思い込んでしまう。二つめは、できないから。いまはゆとり教育の影響もあって、先生は学力の低い子に合わせて説明する傾向にある。だから授業は理解できるが、テストになると結果が出ない。そんな場合がある。
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