米と鎬を削った「撃墜事件」ソ連崩壊の予兆に――NAKASONEファイル
機密指定解除「NAKASONE」ファイル(2)
機密指定解除となった公文書から迫る「ロン・ヤス」関係の真実。1983年に起きた大韓航空機撃墜事件で、日米は見事な連係プレーによってソ連に民間機撃墜の事実を認めさせた。自国の情報活動を犠牲にして傍受テープの提供を決めた中曽根康弘総理に対し、ロナルド・レーガン大統領は感謝の意を表明していた。
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事件直後からソ連軍首脳は近くを米軍の電子偵察機RC-135が飛行していたと主張したが、今度は偵察衛星との関係を取り上げ始めた。大韓航空機はアラスカのアンカレッジを40分遅れて離陸したが、それは米偵察衛星フェレットDがサハリン上空を通過する時間に合わせるためだったという。...