75歳直前で作家デビュー 遅咲きの達人「加藤廣さん」遺作は“島原の乱”

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「少(わか)くして学べば壮にして為すことあり 壮にして学べば老いて衰えず 老いて学べば死して朽ちず」(佐藤一斎『言志四録』)

 歴史作家の加藤廣さんは、この言葉が好きだった。

 実際、250万部のベストセラーとなった『信長の棺』でデビューしたのは75歳直前。作家としては超が付くほどの遅咲きだ。それまでは、現役の経営コンサルタントだったのである。

 昭和5年、東京生まれ。新宿高校から東大法学部、そして中小企業金融公庫に就職する。調査部長などを歴任し、順調な出世を遂げていた加藤さんだが、古い体質の組織には、どこか馴染めないでいた。...

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