本命「長澤まさみ」対抗馬「吉高由里子」と思いきや… 春ドラマ視聴率レース
「春ドラマ」視聴率レース(上)
先頃行われた春競馬を代表する皐月賞は、7番人気が1着となる大波乱の結末を迎えた。一方、テレビ各局が満を持して送る「春ドラマ」も、次々と出走を開始。ヒットの栄冠に輝くのは順当に“本命”か、それとも番狂わせの“大穴”か……。視聴率レースの行方を占う。
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新年度初っ端、4月期スタートのドラマは、各テレビ局が力の入った“イチオシ”番組を投入するのが、業界の常識だそうだ。
テレビ関係者が解説するには、
「4月期はスポンサーとの契約更新の時期でもあるので、局側としてはなんとしてでも数字を獲りたい。そのため、他の時期に比べて予算をしっかりかけ、セットや、キャスティングを豪華にするのも珍しくありません。俳優たちのなかには、この時期なら出演依頼を引き受けるという人もいるほど」
そんな全力を注がれた今期ドラマのなかで、“大本命”と見られていたのが、月9枠の「コンフィデンスマンJP」(フジ系)である。
5年ぶりの連ドラ主演となる長澤まさみ(30)をはじめ、東出昌大(30)、小日向文世(64)の3人の詐欺師(コンフィデンスマン)が、欲にまみれた金持ちからカネを騙し取るという痛快コメディ。「リーガルハイ」の大ヒットで知られる古沢良太が脚本を手掛け、その陣容に抜かりはない。が、テレビドラマ評論家の成馬零一さんは、
「古沢作品は、予想外のストーリー展開が魅力で、それが『リーガルハイ』では十分に発揮されていました。ですが、今回は詐欺師がテーマなので、どうしてもどんでん返しが予想できる。期待が大きかっただけに、思ったほどではなかったというのが正直な印象です」
と手厳しい。ライターの吉田潮さんも、
「役者陣が、コメディの間合いがつかめていないようでした。特に長澤は周囲をリードする役どころですが、殻が破れずに役に成りきれていない。東出ももっとコメディックなダメ男を演じると思っていたのに、ちょっと弱かったですね」
結果、初回視聴率はまさかの9・4%。同じ系列の関西テレビ制作、坂口健太郎(26)主演の「シグナル 長期未解決事件捜査班」(火曜21時)に、0・3ポイント差とはいえ敗れてしまったのである。
「『シグナル』は、韓国ドラマが原作で、過去と現在が無線機で繋がるというSF的設定ですが、硬派に作られています。主演の坂口がややベビーフェイスで浮いているものの、物語が面白いので、初回から引き込まれました」(同)
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